
ヨガ哲学/神話の世界
バガヴァットギーター 2章30節
श्रीमद्भगवद्गीता

アルジュナが、恩師や叔父、友達と戦いたくない!と嘆いているのを聞いて、クリシュナは嘆くべきではないと2-11で伝え、なぜ嘆くべきでないか(賢者が嘆かない理由について)を2-12以降でさまざまな角度から教示し、2-30は私たちの本質である魂(アートマン、プルシャなど)は、永遠不滅なので、嘆き悲しむな とこれまでの教示を総括しています🌿
賢者は嘆かない理由は簡単にまとめると4つ⬇︎
・私たちの本質は永遠不滅
はじまりもないし、終わりもない
・輪廻転生
肉体が死んでも魂は生き続け、新しい肉体にまた宿る
・苦楽等の同一視
本来、暑い寒い、幸せ不幸、などない。自分の主観で考えてしまう
・不可避の物事の受容
自分に起こる事は常に必要な事であって、絶妙のタイミングで自分に起こっているので受け入れる
私たちは、有限の肉体と心を持っていて、いつか終わりが来る。
つまり有限な体とは死が確実に訪れるということが、私たちが嘆き悲しむすべての原因です。体調不良、病気、老化、天災、失職、戦争などの恐れは、死につながるからです。
これらは、有限である「肉体や心」を、永遠不滅である「私たちの本質」を同一視してしまうことによって、苦しみや悲しみ嘆きながら日々を過ごしてしまいます。
「君たちは、有限の心身を持っていて、無知で何かが足りず、悲しみに満ち溢れていずれ死ぬ。ことはない。本当の君は、全てを知っていて、不足しているものは何一つなく、幸せそのもので、永遠不滅である」
とクリシュナは言っていますが、あらゆる物質/欲望/目に見えることだけを信じることの多いこの現象世界に、どっぷり浸かり込んでる私たち現代人は、クリシュナの教示を素直に、そうなんだ! と単純に思えないことの方が多いですが、先入観にとらわれず、素直に心のみみを傾けることによって、いつの日か「魂」を理解し観知できる日が来るかもしれません。
なかなか、魂について理解しにくいですが、それは当たり前のこと。2-29でクリシュナは、
ある人は、魂をまれに観て
ある人は、魂についてまれに語る
ある人は、魂についてまれに聞き
ほとんどの人は、聞いたとしても、誰も魂を理解しない
※魂=私たちの本質、アートマン、プルシャ
と言っていて、魂を感知しても、うまく伝えられるのはごくわずか。運良く魂について聞けたとしても、ほとんど理解できないということ。
それくらい魂を感知するということは、精妙な体験ということです。